HISTORY & ORIGINブドウと産地

岡山県の南西部に位置しており、温暖な気候と高梁川の豊かな水流に恵まれています。年間を通して寒暖差が小さく、降水量が岡山県内でも極めて少ない地域です。丘陵地にはかんがい施設が完備され、排水の良い土壌がブドウの栽培にとても適しています。ここで育まれる高品質なブドウは全国の市場でも高く評価されています。
マスカットを高品質に仕上げるには、
ちょっとした気温の変化や生育具合などに細心の注意を払い、
まるでわが子を育てるかのように丁寧に手入れを行い、
少しでも良質な果実の収穫ができるよう努力や研究が重ねられています。
「その味や香りを伝えていきたい」、
そんな想いが私たちのワインには込められています。
甘くて美味しいマスカットが収穫できるまでにはたくさんの時間と手間が掛かっています。
ここではワイナリーで使用するマスカットがどのようにして育っているのかをご紹介します。
次年度に芽を出すための準備をします。古い枝を取り除くことにより、新しい芽の発生を促します。
芽座から複数の芽が出るので、望ましい方向や適度な強さの芽を残し、不要な芽は取り除く作業を行います。
枝葉が込み合わない間隔でワイヤーに芽(新梢)を取り付け、生育を制御します。
マスカットの花
花の拡大写真
5月に入るとマスカットの花が咲き始めます。
開花して10日後位には実がとまり、果形がわかり始めます。この頃から発育の悪いもの等を一粒一粒はさみで間引き、一房60粒程度に仕上げていきます。
発芽から180日、一粒一粒まで、丹精を込めて作り上げたマスカットの糖度を測定し、基準(18度以上)に達したものを収穫します。このマスカットがワインの原料となり、皆様のもとへ届けられます。
ワイナリーでは倉敷市・岡山理科大学・香川大学農学部の望岡教授と共同でこの地域の特産品であるマスカット・オブ・アレキサンドリアと、全国でも岡山県にのみ生育し、岡山県三大河川の一つ高梁川の流域だけに自生するとても珍しい貴重な絶滅危惧種の「シラガブドウ」を交配した赤ワイン用の新しい品種の開発に取り組んでいます。
日本一の生産地の誇りを胸に、両ブドウのポテンシャルを最大限に活かした個性を素直に表現したワインの実現に力を尽くしています。
大正3年に植物学者・牧野富太郎博士が植物学会に出席するため、新見市に向かう途中、総社で新しい種類のブドウを発見。その時、植物学の達人で案内役をされ、この学会に尽力されていた白神寿吉さんの姓をそのブドウに命名されました。
シラガブドウは全国でも高梁川流域だけで自生が確認されている珍しいブドウで、環境省のレッドリストに絶滅危惧種として指定されています。
倉敷市内にも柳井原貯水池の右岸に自生しています。